世界一幸せな国ブータンが現在は幸せな国ではなくなった理由

世界一幸せな国ブータンが現在は幸せな国ではなくなった理由

国民総幸福量(GNH、Gross National Happiness)見ると、経済的には豊かではなかった東南アジアのブータンが世界一幸せな国として注目されたことで知っている日本人が多いと思いますが、現在はGNHが低下し幸せな国ではなくなっていることは知られていません。

とは言え、以前集計したGNHの幸福度はほぼ間違いなく幸せと感じる人たちが多かったわけです。現在はそのように感じなくなってしまった理由は一体何なのでしょうか。

これまでのブータンの幸せ

幸福度がトップクラスだった頃のブータンは、毎日食事ができて家族と雨風をしのげる家で暮らせることが幸せだと質素な幸せを感じていたようです。

この考え方は贅沢を無限に求める現代と対比する形で幸せとは何なのか、という問いとしてもブータンを日本で有名にしたはずです。これまで不幸だと思っていたことがそれほど大きな悩みではないではないか、と思えた人もいたかもしれません。

しかし現在のブータンでは幸福度が急落しています。

ブータンの幸せが低下し理由はネット環境

ブータンはこれまである意味鎖国状態が続いており、外部からの情報が国内に行き渡っていませんでした。しかしテレビが浸透すると自分たち以外の人たちの生活や文化を知ることになります。多くの広告を目にすることになり、田舎で慎ましく幸せな生活をしていた人が刺激され都会へ出ていくこととなるなど大きな行動変化が見られるようになってといいます。

そして一気に幸せが低下したのはインターネットの普及だそうです。インターネットによって世界の状況を知ることで自分たちと他人を比較するようになり、幸福度が劇的に下がったと言われています。知らなければ現状に満足していたのに、他人と比較することで自分たちの現状は幸せではないと感じる様になってしまったのです。

ブータンは2013年に幸福度順位8位にになり注目されてから、2019年に95位に転落。それ以降ランキングに入ってこないレベルになってしまいました。ちなみに日本は2021年に56位を記録しています。G7では最下位です。

他人と比べると幸福度は低下する

ブータンの幸福度ランキングが圏外になったのは他人と比べることが原因でしたが、「他人と比べる」ことは幸福レベルを下げることは既によく知られていることです。日本の幸せレベルが先進国で最低レベルな理由もこれが原因です。

特にSNSの普及でキラキラした他人を見ると自分が情けなくなってしまう心理はある意味正常です。他人と比べることは精神衛生上良くないのでSNSは便利に使う程度にとどめて、他人と自分を比べないようにすることが必須スキルとなってきています。若者はそうと割り切れないので、SNSを見て病んでしまうことが多いので注意が必要です。

ちなみに欧米人は自分を他人と比較せずもともと個性を重視する傾向にあるので、欧米の国々の幸福度は高かったのですが、SNSの普及によって欧米でも若い子どもたちが他人と比べたり他人にマウントをとるようになって幸福度は低下し始めています。

SNSの浸透によってよく聞くようになった言葉の「承認欲求」はまさに幸福度を比例させるものと言えるでしょう。承認欲求が満たされれば幸福度は高まり、他人の承認欲求によって自分のほうが下だと感じてしまえば幸福とは思えなくなってしまう、SNS時代の特徴的な事象です。

ブータンではネットの普及により、知ることで他人と自分たちを比較できるようになったため幸福を感じることがなくなってしまったのです。ランキング外になってしまうほどなので相当なカルチャーショックを受けたのではないかと想像します。

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