
トマト、リコピンが前立腺がんリスクを低減する可能性はあるのか
トマトに含まれるリコピンが前立腺がんの発症リスクを低減するという情報は多く広まっていますが、いくつかの実験では効果があるとされる結果と効果はないとされる結果が入り交ざっており、実際のところリコピンが前立腺がんリスクを低減するかどうか確証はありません。
遺伝的に前立腺がんリスクがある人には効果があると考えられている
ベースとしては、前立腺がんの発症リスクを抑えられると考えられています。実際にトマトをよく食べていて血中リコピン濃度が高い人は前立腺がんリスクと前立腺特異抗原の値が低く抑えられています。前提としてこれは有力です。
しかしアメリカのコホート研究では2パターンの結果が示されています。
元々前立腺がんになっている家族がいない人はリコピンを摂取しても前立腺がんリスクは変化無し。
一方で家族に前立腺がん患者がいる人がリコピンを摂取すると前立腺がんリスクは低減されたことがわかっています。
要するにもともと遺伝的な前立腺がん発症リスクがあると考えられる人にとって、トマトを毎日食べて血中リコピン濃度を高めておくことは前立腺がんリスクを低減させることができるのではないか、というのが現在の考え方の主流となっています。
リコピンを多く摂った場合の副作用
リコピンを多く摂取したときに出る副作用としては吐き気や下痢、胃もたれなどでその発症頻度は低いです。心配する必要性はほぼないと言えます。
さらにリコピンサプリメントではなくも、トマトなどからの食材からのリコピン摂取の場合はこのような副作用は出ていないことがわかっています。
リコピンサプリメントの摂取に加えて毎日トマトを食べるようにするのが良さそうです。
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