睡眠負債の解消方法と睡眠負債による認知症の可能性

睡眠負債の解消方法と睡眠負債による認知症の可能性

睡眠負債とはスタンフォード大学の研究者によって提唱されたことで知られています。日々の睡眠不足による不足分が積み重なって起こる状態を睡眠負債と言います。睡眠負債がたまることで集中力低下や鬱の原因になることがわかっています。不眠症はその典型ですよね。

さらに睡眠負債が溜まり続けると脳にある物質を残す原因にもなります。通常は睡眠によってそれが脳に残にくいのですが、十分な睡眠がとれないため脳にずっと蓄積され、認知症発症の原因になることがわかってきました。

睡眠負債のメカニズム

睡眠負債とは、睡眠不足で足りない睡眠時間がどんどんたまっていくことを言います。例えば睡眠時間が8時間必要な人が毎日6時間しか眠れていないとすれば、毎日2時間の睡眠負債が溜まっていきます。そして重要なのが眠っている時間に加えて、睡眠の質も重要であるということです。

不眠症は単純に眠れなくて睡眠時間が短くなってしまう人もいてこれはよくわかりやすい特徴なのでが、8時間はベッドにいるのに途中で目をさましてしまう中途覚醒は眠っているのに疲れが取れなかったり寝足りないと感じたりする程度なので自分が不眠症だと気づかない場合もありますが、睡眠外来に行けばすぐに不眠症の中途覚醒と診断されるはずです。

このように中途覚醒のように睡眠が全体的に浅く、熟睡できていない場合も睡眠不足となっているので睡眠負債が貯まり続けます。

睡眠負債の解消方法

睡眠負債は返済が可能だと言われています。例えば社会人の場合、平日は睡眠時間6時間で毎日2時間足りないとします。週末に10時間眠って4時間の睡眠負債を返済すると考えるとわかりやすいでしょう。実際に計測が出来ないため何とも言えませんが、いつもよりも合計4時間多く眠っただけでも睡眠負債分4時間ではなく6時間や8時間分の返済になる可能性もあります。逆に4時間多く眠れても1時間分の返済にしかなっていない可能性もあります。

ですから、睡眠負債はその日のうちに返済するのが理想です。ベストなのは午後眠くなったときの昼寝です。医師の多くが昼寝の重要性を説いています。特に体内時計の関係で人間はランチのあと午後になると一気に眠くなることがわかっています。自然にそうなるのにもかかわらず、基本的には昼寝は悪とされていて社会人の場合はなかなか昼寝ができない環境の人も多いはずです。

昼休みは10分だけで良いので仮眠をとるようにしましょう。これだけでもリフレッシュできるはずです。また睡眠負債の返済にも十分効果的な熟睡感を得られます。

睡眠負債が貯まっているかどうかをチェックする

睡眠負債がたまっているかどうかを簡単にチェックしていきましょう。当てはまるものが多ければ多いほど睡眠負債がたくさん溜まっている可能性が高いです。

これらに多く当てはまっていれば睡眠負債が比例して多く溜まっていると考えられます。

睡眠負債によってガンや認知症になる可能性が高まる

睡眠負債とガン

2014年シカゴ大学の実験で睡眠負債のあるマウスのがん細胞が増えたことがわかりました。睡眠負債が蓄積されていくと体内でがん細胞が増殖しやすい環境になっていることが実験によってわかっています。これは人間も同じだと考えられます。

睡眠負債と認知症、アルツハイマー

また認知能力低下は一般的な睡眠不足でも起こります。要するに睡眠不足によって思考が正常に働かない、ミスをしてしまう、考えがまとまらない、などです。徹夜をしたりして誰もが一度は経験したことがあるでしょう。

しかし睡眠負債がたまっていくと一時的な認知能力の低下だけでなく、将来の認知症リスクを日々高めている可能性が高いことがわかっています。

スタンフォード大学の研究によって、睡眠負債がたまると脳のゴミであるアミロイドベータが排出されず脳に残ってしまうことがわかっています。アミロイドベータは認知症の最大原因物質です。これが脳に残れば当然認知症の発症確率が一気に高まります。

そしてアミロイドベータは認知症の発症より20-30年前から脳に蓄積されることもわかっています。高齢になってアミロイドベータが溜まっていくわけではないのです。社会人で睡眠負債が貯まっている人たちは日々アミロイドβを脳に蓄積させて、20年後、30年後の認知症リスクを日々高めていることになります。

アミロイドベータを減らす方法

単純に睡眠不足を解消して睡眠負債を減らしていけば同時に脳のアミロイドベータも減っていきます。しかし現実的には睡眠不足を解消したり不眠症を改善することはとても難しいですし、それは本人がよくわかっていることだと思います。

それでは結果的に睡眠負債を減らしていくことになる行動をピックアップしました。

■有酸素運動・・・有酸素運動によってアミロイドベータ分解酵素を増やすことができます。完全にアミロイドベータをなくすことはできませんが、有酸素運動をすることによって疲労感からぐっすり眠れるので結果的に睡眠負債を減らすことができます。

■会話・・・会話することで脳が活性化されます。高齢者の場合は会話がなくなると認知症のスピードが早まるため、会話がとても重要です。アミロイドベータを減らして脳の機能を高めるには会話が重要です。日々会話をすることで脳を活性化させましょう。

アミロイドベータを減らす食事

緑黄色野菜(週6日以上)
その他の野菜(1日1回以上)
ナッツ類(週5回以上)
ベリー類(週2回以上)
豆類(週3回以上)
全粒穀物(1日に3回以上)
魚(なるべく多く)
鶏肉(週2回以上)
オリーブオイル(優先して使う)
ワイン(1日グラス1杯まで)

ほとんどが健康に良い食材ばかりです。

日々の食事では低炭水化物で全粒穀物のような食物繊維の多く栄養価の高いものを炭水化物として食べること。
また野菜を毎日食べること。
ナッツ類は無塩のものがよいですよね。ベリー系やワインは抗酸化物質でしょう。
魚にはオメガ3脂肪酸が良質な油で良いとされています。

お金がかかりすぎる場合はサプリメントをお薦めしますが、炭水化物は玄米に変更し、サラダを毎日食べる。あとは抗酸化系サプリなどで代用すれば良いでしょう。

睡眠負債を減らすためには睡眠薬も必要かもしれない

もし不眠症で睡眠の質が低い場合は医師に処方してもらう睡眠薬やドラッグストアで売っている睡眠導入剤の使用がお薦めです。どれも副作用はほぼなく安全に使えます。睡眠の質を高めること今までの睡眠時間と同じだとしても脳のスッキリした感覚は全く違います。

食事や運動だけで不眠症は治りませんので、しっかりと治療する必要があります。不眠症になっている時点で軽度の鬱が入っている可能性も否定できません。治療薬を使いぐっすり眠ったら、あとは運動をして食生活を見直すことでトータルで睡眠負債を返済していくことができるでしょう。

参考サイト

NHK睡眠負債が危ない



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