入院なし、副作用なし、9割の癌に根治の可能性がある光免疫療法

入院なし、副作用なし、9割の癌に根治の可能性がある光免疫療法

がん細胞に光を当てるだけでがん細胞だけをターゲットにして破壊する、光免疫療法が実用化に向けて加速しています。この治療法の凄いところはほぼ副作用がなく、入院する必要もないのに9割の癌を根治できるレベルにまで治療できる可能性があることです。

実用化に向けて、楽天の三木谷社長が投資をしてスピードが一気に加速しています。日本人が研究している今後のがん治療の方法が一気に変わる技術を解説します。

がん細胞にくっつくタンパク質を体内に注射

まずはがん細胞にだけくっつくタンパク質があります。これを体内に入れると自然とがん細胞にくっつく性質があるのです。しかしこれだけでは癌を光で破壊することはできません。

光を当てると化学反応を起こして癌を破壊する色素IR700を、がん細胞にくっつくタンパク質とセットにして注入します。

入れるのは簡単で、注射するだけで終わりです。光免疫療法の1日目は注射して帰宅です。

「近赤外線」を照射してがん細胞を破壊する

IR700を注射した翌日、病院に行って「近赤外線」を当てます。これによって光があたったIR700は化学変化を起こし、がん細胞を破壊します。ここで注目なのはがん細胞のみを破壊することです。

今までの抗がん剤や放射線治療はがん細胞に効果がありましたが普通の細胞にも影響があり副作用が懸念事項のひとつでした。しかし今回の「近赤外線」はまったく体に害がありません。「近赤外線」の光自体が体に影響がないこと、また
IR700がピンポイントにがん細胞に張り付いて破壊すること、これが今までになかった治療なのです。

しかも治療は1日目の注射、そしてIR700が体に行き渡るまでに1~2日かかり、その間は自宅に帰れます。2回目の治療で光を当ててがん細胞を破壊すれば2分でがん細胞が破壊され、ほぼ根治に向けた状態に体が変化します。

体に光を入れられれば9割の癌に効く

光は、皮膚などの表面だけでなく、体内にも入れることができます。体の中に光ファイバーを通してしまえば、その光が当たった箇所のがん細胞が破壊されます。

唯一難しいのは、血液などで体内を常に流れている癌、そして骨など光を当てにくい癌、これらは光免疫療法が効果を発揮できません。

転移している癌にも効果を発揮する

がん細胞は免疫細胞を眠らせることで周囲にがん細胞を増やしていきます。実際は免疫細胞が眠っていなければがん細胞と戦ってがん細胞がなくなっていくものなのです。

がんは「制御性T細胞」というものを使って免疫を落としています。ということで「制御性T細胞」がなくなってしまえば免疫力が復活し、免疫自体ががん細胞を攻撃することができるようになりますよね。

実はIR700はがん細胞だけを破壊するのではなく、「制御性T細胞」も破壊することができます。「制御性T細胞」を破壊すると免疫が復活してがん細胞を攻撃、1時間以内に癌を破壊します。

さらに免疫は血液で体内を巡って、転移した癌に対しても攻撃を始めるため、転移した癌細胞も破壊します。

光免疫療法は2020年後には日本で実用化の兆し

現在アメリカの国立衛生研究所で研究をしている日本人、林久隆先生によって研究が進められています。すでに動物実験も終え、人間の治験がスタートし結果が出ています。8人が光免疫療法を受け、3人が癌がなくなり、4人は癌が縮小、1人は変化なしという結果でした。

今回は最低限の治療しかできなかったものの、他に治療方法がないとされてきた患者に対して光免疫療法を行った結果、癌自体がなくなったという結果がすごいことです。さらに光免疫療法を継続したり、現在あるがん治療を併用することでさらに根治の可能性が高くなると考えられています。

現在、楽天の三木谷社長が小林久隆先生の研究に出資していることで、開発研究のスピードがかなり早まっています。というのもアメリカですら国から研究費用を出してもらうときに手続き等で時間がかかってしまうらしいのです。その手続を一気に省いて三木谷社長自ら出資をして資金提供したことによって開発が2年も早まったそうです。

そして日本でこの光免疫療法が利用できるようになるのは2020年2021年前後と言われています。もうすぐ新しいがん治療が日本で受けられるようになるかもしれません。



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